"Food" for thoughts...literally.

誰かが共感してくれたら嬉しい。

武者小路実篤って。The name, Mushanokoji Saneatsu.

今読んでちょっと心に残ったので。悲しいはずだけど、くすっと笑ってしまったよ。

しかし、いつ見てもかっこいい名前。I like his name, cool huh?

 

淋しい

自分は又自分を信じられなくなった。

自分は行きてる甲斐のない淋しい生涯を送るのだ。

 

自分は又他人と話をするのがいやになった。

無意味に口を動かし、心に響かぬ言葉を聞くのはいやだから。

自分は孤独になりたい。しかし時々彼女の姿が見たい。

 

自分は淋しい淋しい涙の谷をさまよいたい。

涙の谷のみ自分には故郷の気がする。

 

彼女のことを思うと淋しくなる。

今の自分は彼女に接吻したくもない、話したくもない。

しかし姿は見たい。

どうしているかが知りたいのだ。

 

見交わして感じる淋しさがなつかしいのだ。

 

しかし彼女に逢うことを恐れている。

逢った処でそれによって二人の運命はどうにもならない。

もしも彼女を淋しくしたら。

どうせ駄目なものなら彼女を淋しくしたくない。

今の自分に男らしい所は少しもない。

元気もない、活気もない。

そうしてあの世に行ったら、お貞さんや、まきや、彼女に、

僕は淋しい生涯を送って来ました、

これが貴方達の下さった最大の贈り物ですと云いたい。

いやみではない。

淋しい内に何かある。

淋しい処に故郷がある。

自分は淋しい心に馴れている。

 

自分は淋しい人間だ、

淋しいことの好きな人間だ。

淋しい色を帯びていないものは何でも自分には賎しいもの、

つまらぬもののように思える。

華やかな内に淋しさを求めて、

そこに故郷を見出す自分は人間だ。

 

自分は今迄それに気がつかなった。

気がつかない方が淋しいだろう。

だが気がついた方が淋しいかも知れない。

 

愛する者には愛されず、

何事もせずに生きられる為に、

自分は自分の淋しいことの好きなことを感謝する。